アトリエ宝来
基本性能を向上させた鉄筋コンクリート住宅リノベーション
2020年06月 竣工
垂仁天皇陵の真北に建つ、ギャラリー兼セミナースペース『アトリエ宝来』。企業研修事業を行うO様が「ゆったりと集える場をつくりたいと、洋画家の故・冨田啓介氏のアトリエを再生させたもの。コンクリート打ちっ放しに加え、3階吹き抜けのため、「夏は暑く、冬はとても寒い」ことが課題となっていた、こちらの建物。1階に開閉式の天井を設け、屋根や窓、外壁に断熱を施すことで、空間の明るさを残したまま、断熱性能を大幅に改善しました。窓サッシや棚、絵の具が付いた床やドアなど、旧アトリエの面影が残る部分はあえて活用し、奈良県産の杉をふんだんに使った、温かな集いの場へと生まれ変わりました。
建物のタイプ |
鉄筋コンクリート造・鉄骨造 |
延床面積 |
156.75㎡ |
杉の天井とマッチするプラスチック障子紙の開閉天井は、閉めているときもやわらかな光が通ります。
雨漏りで傷みの激しかった黄色の階段は、元の色を忠実に再現し、復元したものです。
明るく開放的な吹き抜け空間ですが、懸念されるのが「冷暖房効率の悪さ」。3階建てのダイナミックな吹き抜けを残しながら、夏・冬も明るく快適に過ごせるように、開閉式の天井をご提案しました。
天井一面に奈良県産の杉を取り入れ、木のぬくもり溢れる空間に。窓サッシや吊り棚は元のまま活用しています。
旧アトリエの面影が漂う絵の具の付いた床やドアは、あえてそのまま残しました。
2階は6名用のシェアオフィス。奈良県産の杉で造作したデスク・棚は可動式で、空間を自由に変えられます。
窓ガラスはすべて、既存のサッシを生かしながら、遮熱性・断熱性に優れたペアガラスに入れ替えました。
新たに設けたトイレは、床面に階段と同じ黄色を、カウンター収納には新たに杉が取り入れられ、建物全体の雰囲気に馴染んでいます。
物置だった3階は、床に奈良県産の杉を張り、小会議室へとリフォーム。両端は高さが低くデッドスペースになるため、アイアンのバーを付けて目隠しをし、収納として使えるようにしました。
コンクリートの段差は表面の凸凹を削って平滑にし、畳を敷きベンチとして利用しています。
ガラスがなく開口のみだった2・3階吹抜けの室内窓、1階天井と同じプラスチック障子紙を入れた。外からの光が優しく入ります。
施工データ
アトリエ宝来
基本性能を向上させた鉄筋コンクリート住宅リノベーション
2020年06月 竣工
- 施工タイプ
リフォーム
- 建物のタイプ
鉄筋コンクリート造・鉄骨造
- 延床面積
156.75㎡
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